杉浦達朗
成年皇族の一員となった天皇、皇后両陛下の長女愛子さま。皇室では、未成年の間は公の場に出ることは少ないが、愛子さまは今後、様々な行事や式典に出席するなど、公的な活動と学業を両立させていくことになる。
愛子さまは、年末の宮中祭祀(さいし)や来年1月の「新年祝賀の儀」など新年行事に参加するとみられる。現在、学習院大学文学部の2年生。授業や課題などで忙しい日々を送っており、コロナ禍で皇室の活動が減っていることもあって公の場に出る機会は限られそうだ。それでも、皇室関係者は「公務を担う愛子さまへの期待は大きい」と話す。
現在、皇室を構成するのは17人。ただ、高齢の皇族方も多く、10月には秋篠宮家の長女小室眞子さんが結婚で皇室を離れた。愛子さまは大学卒業までは学業を優先する方針だが、公的活動の担い手が減るなか、ほかの皇族方が担ってきた民間団体の総裁職への就任など、成年皇族としての活動に期待が寄せられている。
上皇ご夫妻の長女黒田清子さんも、大学卒業後は本格的に公務に取り組み、海外公式訪問も担った。2005年に結婚で皇室を離れたが、関係者は「当時の天皇の直系で、穏やかなお人柄もあって残念だという声が多かった」と明かす。
一部の皇族方に負担が集中することへの懸念も根強い。現在、安定的な皇位継承策を議論する有識者会議で、女性皇族が結婚後も皇室に残る案が検討されている。宮内庁幹部は「愛子さまへの期待はあれど、無理のないよう整理し、ご意思も尊重していくことが必要だ」と話した。(杉浦達朗)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル